行政書士って何をする人なの?

一言で表現すると

われわれ行政書士は、書類作成とその手続に関するプロフェッショナルです。

行政書士の仕事① 書類作成を通じて紛争を予防する

「書類」の持つ意味

「書類作成」って、聞いただけで地味な印象ですよね。

でも、この「書類」というやつ。これがなかなか侮れないのです。

実際、世の中の大事なことは、ほぼ全て書類を介して動いています。口約束でオッケー、などということは(特定の業界にはあるかもしれませんが)一般的にはありえません。

書類を作成するということは、後日のための記録(さらに言えば証拠)を作ることだということが理解されているからです。「言った、言わない」の水掛け論を避ける知恵、ということですね。

つまり、誤解を恐れずに言えば、契約書・申込書・合意書・協議書、はたまた内容証明郵便から遺言書に至るまで、名称を問わず、書類の作成とは、すなわち争いの芽を「事前に」摘むこと。

行政書士が作成することができる、「権利義務又は事実証明に関する書類」(行政書士法第1条の2)というのは、そういう意味合いだと思っていただいて間違いはないでしょう。われわれの仕事が「予防法務」であると言われる所以です。

え?今はオンラインの時代で、「書類」は減る一方じゃないかって?

もちろん、「書類」がデジタルデータに置き換えられている例はたくさんありますが、そのデジタルデータも日本語に訳せば「電磁的記録」。「記録」という本質は何ら変わっていません。それに、行政書士が作成することができる「書類」には、「その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含む」とされていますので、どうぞご安心を。

合意を形成して書類を作る~紛争は避けるに如かず

相続をめぐる問題、お金の貸し借り、アパートの賃貸借契約、消費者問題、男女問題、近隣トラブル、交通事故、等々、日常生活上遭遇する(したくない)法的な問題はいろいろありますが、こじれて紛争に立ち至る前であれば、当事者間の合意によって解決可能なものは決して少なくありません。

また、「裁判沙汰」という言葉があるように、当事者としてみても、(引っ込みがつかない、とかプライドの問題は別として、)できれば紛争にはしたくない、と考えている方が大半ではなかろうかと思います。

得るものと失うものを秤にかけたとき、「紛争を避けられるならそれに越したことはない」というのは、確かに合理的な結論ではないでしょうか。

紛争に気力と体力と財力をそがれるのって、実際のところ結構キツいものがありますからね。

われわれは、そのような紛争を望まない方々の声に真剣に耳を傾けます。そして、どうしたら紛争を予防・回避できるか、という観点に立って様々な角度から事案を検討し、書類作成を基本軸とした最適なソリューション(解決策)をご提案いたします。

書類作成に向けた当事者の合意を形成するためのアドバイス、というかお手伝いをするというイメージですね。その意味で、単なる代書人とはちょっと違うと思っています。事案によってはあえて代書人に徹する場合もありますが。

ご相談が早ければ早いほど、採ることのできる選択肢も多いですし、それだけ無用な紛争を避けることができる可能性も高まります。

日常の困りごとは、どんな小さなことでも、われわれ行政書士にお気軽にご相談下さいね。

行政書士の仕事② 行政と市民をつなぐパイプ役

また、行政書士にはもう1つ重要な役割があります。
それは行政機関等の官公署(役所)と市民の皆さんとをつなぐ専門家としての役割です。

役所に届出をしたり、許認可の申請をしようとしたとき、その複雑さとわずらわしさにイラっとした経験をされた方もいらっしゃることでしょう。「何度も窓口に足を運ぶ羽目になったです」「申請書の添付書類を集めるだけで一苦労だったヨ」、という話はよく耳にしますから。

行政書士は、依頼者のために官公署に提出する書類(もちろん、電磁的記録を含みます)を作成し、その提出手続についても代理することができます(行政書士法第1条の2、第1条の3)。

つまり、行政書士を活用していただければ、書類作成・提出にかかる労力を減らし、本来やりたい活動の方に力を注ぐことが可能となります。また、手続の流れについても、ご自身でされるよりスムーズに進む公算が高いです…一応専門家ですので。

この②の業務に関しては、建設業許可、風俗営業許可、外国人の在留資格関係の諸申請、といったそれぞれの分野ごとに、それに特化したスペシャリスト行政書士が多いのが特徴です。

というわけで、世の中にあまたある官公署に対する手続につきましても、われわれ行政書士にご相談いただければ幸いです。

最後に一言

たった1枚の「紙」が、あなたの大切な権利を守ることがあります。
たった1枚の「紙」が、許認可の行く末を決することがあります。
そしてそのたった1枚の「紙」=書類に、みずからの持てる能力・知識のすべてを注ぎ込む。
行政書士とは、そんな仕事です。